国立公園管理事務所便り
10期(昭和46年卒) 薄木 三生

 私もとうとう意を決して嫁さんもらおうかと珍しく忙しくなった昨今、拓哉大先輩よりワンゲルでドッペッてさんざん山を荒し回ったあげく、就職後もあきずに山を荒らすを職として遊び回っとる馬鹿はオメエぐらいだから何か書けとの矢のさいそくに、とうとう負けて書いております。

 私、昭和49年に環境庁に入り、昨年から夏は尾瀬、冬は日光にもどって大活躍中です。環境庁と言うところ、官房四局といいまして、官房が大臣側近事務、企画調整局が他省間接渉、大気保全局及び水質保全局がいわゆる公害屋で、山を登れるのは我らが自然保護局だけというシステムになっています。この山登り屋を National Park Ranger と呼んでおります。仕事といいますと、自然公園法に基く許認可事務、国有財産管理、利用者指導及び巡視というたてまえですが、山間へき地に存在することに第一義がありまして、道路問題やら大規模開発に対する地元での裏工作が主で、あとは尾瀬近辺の山々に遊び歩いております。ちなみに昨年の山行日数は100日強、燧10回、至仏10回、会津駒奥鬼怒、景鶴、荷鞍、アヤメ平等の尾瀬周辺、草津近辺、北アルプスというが主な所であります。

 地元とのくされ縁が生じるとまずいため、限度3年で転勤で、北は利尻、知床から南は沖縄の西表島まで可能性があります。きわめてワンゲル、山岳部出身者が多く、東北大関係が二番目、というのは農学部や工学部に造園講座がないためでありましょうが、東北大出身者はみな独学で入っておりまして最近はこのような人種が増加の傾向にありますので、馬鹿な後輩が入ってきてくれればと考えています。

 諸外国でも有名な山はほとんど国立公園でして、我々とコネクトのある Ranger さんが駐在しており、新婚旅行には Higher than Mt.Fuji でありますところの Hawaii 島 Mauna Loa に行ってくるつもりです。 皆様、そのうち金をためてボルネオ島のMt.Kinabaluやアフリカのキリマンジェロなどに行きませふ。

 国立公園管理事務所便り第一報でした。第二報は遠い将来に出ますので御愛読下さい。昨年11月同期の野家氏の結婚式で会ったロクヤ先生は妙に白髪が増えておられました。今年5月〜10月は尾瀬沼長蔵小屋に住んでいます。お近くにお出掛けの際はお立寄り下さい。ただし、若干のEssenとアルコホルを携帯しつつ。

昭和51年OB会報NO6より抜粋