-- このごろのワングル --
10期(昭和46年卒) 部長 野家 啓一

 OBの皆様方にはお変わりなくご活躍のことと存じます。私の方もワングルの部長をお引受けしてから早や2年が経ち、この間大きな事故もなく活動を続けることができ、ほっとしているところです。もちろん山登りという基本は変わっておりませんが、時代と共にクラブの雰囲気はだいぶ様変わりしていますので、簡単に近況をお伝え致します。

 現在のところ現役部員は約40名ですが、ここ数年わずかづつ減少しているのが気がかりなところです。人数が少ないせいか、コンパやフアイヤーも我々の頃と比ぺると小じんまりしたものになっており、いささか寂しい気がしています。一時は増えていた女子部員も、今年度は4年生1人だけになってしまい、来年は再びゼロになってしまいそうな雲行きです。これも、重い荷物を背負って苦労しながら山登りするよりは、テニスやゴルフを自由に楽しみたいという、最近の学生の風潮からくるものなのか、少々残念な思いです。

 夏合宿が活動の中心であることには変わりありませんが、最近は集中形式をとることはめったにありません。今年は、日高山系と北アルプスに分散形式で4パーティが入りました。ブレ合宿で学生1名が骨折事故を起こし、そのパーティはコースを日高から大雪山に変更せざるをえませんでしたが、本合宿では、全パーティが無事に目標を達成し、成功裏に終えることができました。各パーティの成果についてはそれぞれのリーダーが別に報告しておりますので、後輩の活動ぶりをお読みいただければ幸いです。

 このところワングルの活動範囲は、部員の技術の向上に伴って「尾根歩き」だけでなく、「沢登り」「雪山」「山スキー」などにも広がってきており、それだけに事故の危険も増大していると言えます。何よりも「安全性」を重視した活動を心がけていきたいと考えておりますので、今後ともOBの皆様のご支援とご鞭撻をお願いする次第です。

 最後に、私自身の近況ですが、今年でついに40歳を迎えたせいか、大学でも学会でも「何とか委員」という役が回ってくる年齢になり、公私ともに多忙を極めた1年でした。それでも夏休みには暇を見つけて、女房の裕子(14期OB)と一緒に八ヶ岳(赤岳、横岳、硫黄岳)に登り、久しぶりに山の気分を満喫することができました。しかし、トレーニング不足のせいか、体力の衰えは隠せず、帰ってきてからはそのショックもあって、9階(!)にある研究室まで、エレベータを使わずに登り降りする訓練を続けているこの頃です。OBの皆様のご健康をお祈り致します。

平成元年OB会報NO20より抜粋