近況報告
3期(昭和39年卒) 後藤 龍男

 10月の海外出張時、ポルトガルのリスボンに立ち寄ってきました。当地の団体と半日、形ばかりの会議をした後はお決まりの観光です。

 有名なロカ岬へ行きました。ご存じヨーロッパ大陸の最西端です。犬吠崎をもう少し荒々しくしたような感じです。バルチック艦隊もこの岬を回って南下しました。

 岬に小さな観光案内所があって、800エスクード払うと肉筆署名の「最西端到達証明書」を交付してくれます。ポルトガル語なのでまったく読めませんが、「陸尽き、ここより海始まる」と言う有名な詩が書かれているのだそうです。

 この詩人の名前はほとんどの日本人が知りませんが、ヨーロッパでは子供でも知っている、マゼランやバスコダガマなどよりずっと有名人なのだそうです。

 ポルトガルというのはつくづくおかしな国で、15世紀の大航海時代に突然変異のごとくマゼランなど幾多の英雄豪傑を輩出し、またあっという間に世界史の表舞台から消えてしまいました。その後500年、泣かず飛ばずです。リスボンの海岸にはこれら英雄の巨像が大西洋を望んで屹立しています。今の調子だと、500年後に日本も同じ事を言われるのかな。

 料理は魚です。ボーイがいろいろな魚介類を大きな盆に盛ってテーブルを回ります。名前も知らない大きな魚や海老を指さすと、特産の荒塩でくるんで炭火で焼いてくれます。これを皿にほぐして、冷えた辛口の白ワインでやるともう最高です。大吟醸があればぴったりでしょう。聞いただけでよだれが出てきませんか?

 皆さん。山へ登るばかりが能ではありません。たまには綺麗な景色を見て、美味いものを食いに行きましょう。僕も付き合います。 ・・・ 俺も歳かな。

平成11年OB会報NO30より抜粋