30周年記念 −あの憧れの− 平ヶ岳山行 |
9期(昭和45年卒) 伊藤 千代子 |
平ヶ岳という目的地を決めるまでには問題があった。 登山道として選択する林道が、皇太子林道と呼ばれ、頂上まで2時間の所まで自動車道路が通り、登山道も整備されまくり、環境破壊が甚だしい、との情報があった。「こんな所は使うべきではない」という意見があった。しかし、強い想いのある平ヶ岳に2時間余で登れると聞けば、51ー52才の体力を考えて、皆が行けるのもこの方法しかないと決意した。 この山行には8期の方々にもご参加いただいた。4期の小原さんは仕事の都合で参加いただけなかった。 |
8期参加者 : 相原さん、中里さん、前田さん、水上さん、小笠原さん、三日月さん、 |
9月4日12時、浦佐駅集合。実に30年ぶりに会う顔は、一瞬エッと思うものの、すぐに昔の面影と重なり、懐かしさに歓声をあげる。車に分乗して、一路銀山平の伝の助小屋へ。1年の夏合宿の時に荷入れに使ったパーティもあり、懐かしい名前である。伝の助小屋も湖から少し離れた所に新しく建て替えられ、実に快適な民宿という感で、食事もおいしく、小屋の水で作られるという地酒は確かにうまい。大いに飲み、話し、歌い、夜は更けていく。 しかし、朝は早い。もう寝よう。 -------------------------------------------------------------- 沢から尾根の道に変わるとかなりの急登である。「エッ、下り大丈夫かな?」と心配になる程の道で、整備されまくって・・・・いない! 濱さんを皆で交替でサポートしながら、一歩一歩登って行く。最初の1本まで夢中で歩いた。振返ると、越後駒、中、兎、荒川に朝日が当たって輝き始めている。尾根に入っても樹林帯の登りは厳しく、登り、登り、また登り。「おかしいなあ、2時間で登れるはずではなかったのか」と、皆の不満声も聞かれる頃、ポカッと空が広がり、目の前に大草原、玉子石分岐に出た。ウワーッと歓声をあげたくなる様な素晴らしさ。目の前に平ヶ岳が横たわっている。 池塘も、草紅葉の始まった草原も天井漫歩の気分をさらに高揚させてくれる。鞍部に下り、水場で沢の水を飲む。これがまた美味い。テン場には台がしつらえてあり、直接地面にはテントは張れない(イヤだな、とチラっと思ったが、湿原にとっては、そこかしこの区別なくテントを張られては最悪だろう)。さらに1時間弱で平ヶ岳山頂へ、三角点はブッシュを切り開いた中にあった。33年ぶりに訪れた人、目前にして登れなかった人、初めて来た人
人それぞれの想いを込めて三角点に手を触れた。湿原の中の木道に腰をおろし、昼食と360度の大展望を楽しむ。越後三山、荒川、奥白根、燧、至仏、そして目の下には景鶴。空は果てしなく青い。
33年前の平ヶ岳を私は知らないが、自然が壊されているとは思わず、美しさに感動して今回の山行を終えることができて、本当に幸せだと思っている。元気なうちにまた皆と山に登りたい。 |
平成11年OB会報NO30より抜粋 |