近況報告
11期(昭和47年卒) 秋田 修

 最近は山に行く機会も減り、もっぱら市民マラソンにはまっている。記録的には頭打ちだったが、去年は50歳を過ぎ、50歳以上の部のある大会を狙い打ちしていくつか入賞も果たした。しかし、その特権も1年間だけであらたな新人(50歳)が入ってきた今年は成績もぱっとしない。女房殿にはもう年を考えて下さいと言われ引退を勧められている。

 単身赴任もあり家内と出かける機会も少ないことから、今年の8月に札幌市での学会に出席した機会を利用して、二人での利尻山登山を計画した。

 土曜日の学会最終日を早めに抜け出し、東京からの家内と千歳空港で待ち合わせ、空路で利尻島へ。まずは、レンターカーで島を一周したが、利尻山の頂上はずっと雲の中で明日の天気が気にかかった。途中元巨人軍の角投手が家族連れでの北海道旅行のテレビ撮影に遭遇し、一般観光客として映った可能性があり、職場に内緒での利尻登山がばれなければと少し心配になった。

 登山基地としてくれるペンションを予約し予め登山道具一式を送っておいた。翌早朝登山口まで車で送ってもらい、6時に歩き始めた。行動時間9時間の覚悟でゆっくり歩むが、途中から登りいっぽうの急坂でガレ場も多く、家内の体力が心配になった。幸い曇りの天気で体力の消耗が少なく、スローペースながら確実に高度を稼ぐことができた。途中から雲海を抜け出し頂上も仰ぎ見ることができるようになり11時には頂上に立てた。

 頂上は夏の陽射しいっぱいで、礼文島は見えないものの眼下に雲海を眺め、久しぶりに手応えのある山の山頂に立った気分を堪能した。頂上は狭く、少し下った日陰でゆっくりと昼食をとった後、心残りながら山を下った。

 家内は下りが苦手で、下りでは全ての荷物を私が担ぐことになる。それでも順調に下りきり、ペンションには予定より早く到着できた。歩いていける距離に温泉があり、のんびりと汗を流したあとの、おいしい食事とビールは格別であった。

 翌日はまた空路千歳へもどり、家内は羽田へ、私は広島へと再び離れ離れに。久しぶりの山行で家内へのポイントも稼げた。再度利尻山を登る機会はおそらくないと思われ、思い切って計画してよかった。今度は九州の山を登ってみたいと考えている。

       ( 国税庁醸造研究所 微生物研究室  室長 秋田 修 )

平成12年OB会報NO31より抜粋