30周年 第三弾  ”奥鬼怒”(8・9期同期山行)
9期(昭和45年卒) 伊藤 千代子

 30周年山行で集まった8期、9期はまだ登れるという手応えと、あと何年登れるだろうかとの思いを感じ、毎年適当な山を選び、一年に一回山行を続けることとなった。条件はそこに温泉が有ること。

 今年は奥鬼怒温泉郷のカニ湯に泊り、鬼怒沼まで登ることにした。9月2日、宇都宮駅12時冨川さんと伊藤で迎えに行く。根岸さん、前田さん、水上さん、桃谷さん、中里さん、・・・ム、ム一人来ない!!  原田さんだ!

 家に電話を入れると、「エー、来週じゃなかったのかー」とのお言葉。何とか自力でカニ湯まで絶対来るように、と伝え、駅を出発。

 途中蕎麦屋で昼食、2時半頃夫婦淵温泉着。そこで佐藤さん夫妻、相原さん夫妻(奥様は初めての参加、何の違和感もなくすぐ打ち解けられた)、濱さん親娘と合流して宿のマイクロバスでカニ湯へ。カニ湯は一軒宿で、きれいで部屋も広く、良い宿だった。露天風呂も内湯もあり、景色にも恵まれ、紅葉の頃はさぞかし、と思われた。ここで山から下りて来た小原さん、三日月さんと合流。  原田さんも。

  楽しい夕食とおしゃべり、露天風呂に又入って・・・・


  9月3日早朝、朝ご飯をおにぎりにしてもらって出発。川沿いに歩いて日光沢温泉に着く。ここから山道に入る。背の高い鬱蒼とした林の中をジグザグと登って行く。途中オロオソロシの滝を見たつもりで通過。アキノキリン草、ウバゆりの実、色着いたゴゼンタチバナやマイズル草を眺めながら、・・・いつもの様に濱さんの手を取り交替で支えながら(?)登って行く。

9月初めなのにだんだん気温が下がってくる。朝は半袖、短パンだったのを、長袖、長ズボンを着込みヤッケを着てもまだ寒い。やがて木の丈も低くなり、ナナカマド、オオカメノキの赤い実を愛でつつかん木帯をぬけるとパっと湿原が現れた。初秋のほんの少し草紅葉が始まった湿原に木道が霧の中に浮かんでる。風はきつく、冷たい。 でも、山の上の湿原って何故こんなにウキウキするんだろう!  身をすぼめながら避難小屋へ。NHKの撮影隊が小屋の中にいたが全員入れるように空けてくれた。ラーメンを作り、おにぎりをほおばり、梨をむいて、ホっと一息。

元気を取り戻し再び外へ。でもやっぱり寒い。霧が少し晴れて青空と周りの稜線もみえてきた。シラビソの林、白い雲、草原、風、何故かなつかしい、すがすがしさ。樹林帯に入ると風は気にならなくなり、下るにつれ、歩くと少し汗ばむ位になった。それが又、さっきの湿原を別世界のような不思議な感覚で思いださせた。


 昼過ぎカニ湯に戻り、温泉に入りビールを飲んで、帰途についた。一昨年の安達太良、去年の平ヶ岳、今年の奥鬼怒、来年は?

平成12年OB会報NO31より抜粋