近況報告
8期(昭和44年卒) 前田 吉彦

 大学卒業後、当時の半月分の給料に相当する高価な登山靴を買い、その後ずーっと履き続けた。その靴で名山と言われる山にも登ったし、きのこ採りや沢釣りにもおおいに役立った。たまにしか使わないとはいえ、さすがに30年、ビブラム底も磨り減り、手入れの悪さもあって糸切れ多発でついに断念。一昨年、再び高価な登山靴を買ってしまった。わざわざ神田まで出かけ、何軒もの店を回ってあれこれ比較し、結局昔風の登山靴を。今後どれだけ山を登れるのか分からないが、願わくばこの靴を履き潰してみたいと思う。だけど実際には、買い替えることなく終えるのかもしれない。

 最近、同期の北条真人君の悲報に接し、彼の茫洋とした風格と朴訥とした語り口を思い起こしながら、新しい登山靴の行方を占った。北条真人よ、安らかに眠れ。

平成13年OB会報NO32より抜粋