訃報


平成13年4月5日、8期の 北条真人さん がご逝去されました
謹んでご冥福をお祈りいたします


 TUWV現役時代
 北条真人君を偲んで 佐藤 拓哉
 「報告」を作り始めたとき、北条真人君(8期)が4月5日にご逝去されたという悲報が入りました。ワンゲルの誰もが知らないうちに、一人で逝ってしまった北条。みんな君の事を忘れはしない。
 北条真人君を偲んで 相原 敬
 4年前に福井の寺(満願寺)で会ったのが最期となり残念です。半年間も知らずにいたことが悔やまれ、何とも言葉がありません。
 卒業時に作った記念アルバムを開いて、しみじみと哀しい夜を過ごした。
 北条真人君を偲んで 水上 俊彦
 住職になって皆が成仏出来るよう見届けてくれるはずが、一番先に逝ってしまうとは未だに信じられません。現役時代いつもこだわっていた日本のモンブランに、2年の夏合宿後に4人で縦走したことが、笈岳の強烈な藪漕ぎの記憶と供に昨日のことのように思い出されます。
 誰からも愛され、限りなく純であり続けた北条を偲んで、白山山行を是非とも実現させたいものですね。
 北条真人君を偲んで 三日月 道夫

 年に1度の年賀状での便りに代わり、還浄との連絡で、心おだやかでないものがあります。人生についての話を一度うかがいたいと思っていたのにチャンスがなくなり残念です。今思えば、会得したときの一切経山での写真をいただいたのと、今年のOB山行での一切経山を雨の中を登ったことに、何かの因縁を感じるものがあります。
 冥福を祈りつつ、来春には追悼山行をかねて墓参りを計画しましょう。

 北条真人君を偲んで 佐藤 良子

 10年ぐらい前のことでしょうか。確か息子さんが早稲田に合格なさった直後だったと思います。上京の折ひょっこり家に見えました。主人は会社だったので上大岡の会社まで案内して三人で会いました。その帰り、私は新横浜まで彼を送って行きました。
 地下鉄で一時間ぐらい揺られたでしょうか、穏やかな沈黙を共有しながら時々お互いゆっくりとした調子で会話を楽しみました。新横浜でお茶を飲み、そして別れました。あの時の彼の深い瞳、いつまでも忘れません。

 北条真人君を偲んで 前田 吉彦  ( 近況報告より )

大学卒業後、当時の半月分の給料に相当する高価な登山靴を買い、その後ずーっと履き続けた。その靴で名山と言われる山にも登ったし、きのこ採りや沢釣りにもおおいに役立った。たまにしか使わないとはいえ、さすがに30年、ビブラム底も磨り減り、手入れの悪さもあって糸切れ多発でついに断念。一昨年、再び高価な登山靴を買ってしまった。わざわざ神田まで出かけ、何軒もの店を回ってされこれ比較し、結局昔風の登山靴を。今後どれだけ山を登れるのか分からないが、願わくばこの靴を履き潰してみたいと思う。だけど実際には、買い替えることなく終えるのかもしれない。最近、同期の北条真人君の悲報に接し、彼の茫洋とした風格と朴訥とした語り口を思い起こしながら、新しい登山靴の行方を占った。北条真人よ、安らかに眠れ。

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- TUWV卒業証書 -

「ワンテンポずらすその話しぶりに、まひとちゃんのいる所いつも笑いが漂い我々のクラブの太陽でした。スタンツ、コンパでは皆を必ず満足させましたが、時々ロマンチシズムをちらつかせるところもあり、どんな母ちゃんをつかまえるやら、判断が難しいところです。」

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− 卒業アルバムに寄せた北条君のメッセージ −
ことばのない世界
僕のユートピア
そこには心と心のつながりがある
体と体のぶつかり合いがある
求める心と求める心がそのまま結ばれる
ことばを捜さなくてもよい
ぴったりしたことばが見つからず
心と心の間になにか大きな壁があるような
そんなさ淋しさがない
心と心はひとつに解けあう
とけあったあとには
ひとつのやすらぎがある
あゝどおして
どおしてこの世には
ことばがあるのだろう
ことばは沈黙から
友を奪っていく
沈黙はことばに比べて
あまりにもめだたない
ひとはことばにあつまる
むしがひかりにあつまるように
むしはそのまま死んでしまう
ことばというまぼろしのつながりのなかで
ことばのない世界
ことばのない世界

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情け深いのは育ちのせいでしょうか。いわば恐怖的に近付くのが苦手な相手でしたが、尾瀬のフリー以来その抵抗が解け、今となっては心からお慕い申し上げている女性の一人でございます。
酒は飲むのにどうして漬物を食わないんだ? 逆だと思うけどな!
主将代理ご苦労。ひょんなところで活躍してくれたが、今もってお前という男が判らない。ただ「ホージョーマーヒートー」だけは知っている。
人を笑わすコツを覚えているようですが、何か一押しが足りません。話し方の遅いのが独特な雰囲気をかもし出します。
お寺に生まれた彼なのですが、四年間一度もまともなお経を聞いたことがありません。ワンテンポずらしても、まだお経のテンポには合わないのでしょうか。
北条がマンションに住んでいる頃、水上と三人でよく戯んだっけ。報われない愛をいつまでも抱き続けるお前は幸せかもしれない。お前と一緒に山に行ったことは随分あったな。その度に純粋で朗らかなお前が羨ましかった。スローモーな話し方うつっちゃったぞ。
どこまで真面目でどこまで不真面目なのか、とうとう分からなかった。他人に惑わされず、自分の考え通りに生きてゆくのは素晴らしいことだと思う。
金の御殿か棺桶か、月が吠えたかドブネズミ。お経と言うのは意味が分からないものです。しかし彼は座っているだけで有難い仏法の教えを発散させているような雰囲気を持っている有徳者。テレビタレントになればきっと名声を得て、政界に打って出ることも可能と思います。
ヌーボーとした表情でどことなくユーモアのある奴。ひとたびダンパーとなれば背広など着て出かける、というように場所をわきまえている面もある。
北条殺すに刃物は要らぬ、漬物三日もやればよい。
一歩前進、二歩後退。それで進んでいるのかと思うと、実に他人の心配をよそに、確実に進んでいる。東洋思想で言行一致しているのか、我々西洋文化に毒された人間にとって理解しがたい。夏合宿を始めとして本当にいろいろと世話になった。
ああ君の声、君の顔、君の話題、いつも僕らを悩ませてくれた。生活を共にしていた時期は短かったが、ハプニングの連続だった。思いがけず純な恋心を聞かされ、思いの通り不潔さにケンカをした時期だった。ただ、御仏の如く広い心を持っていることがいつも不思議に思われる。君は騒ぎの種だった。
大きな期待を持って、お前と一緒に住んだ青葉山マンションの生活。川内荘での一年間の付き合い。お前の不潔さには随分泣かされた。
合理的なのは良いが、それに自分が押しつぶされないように ・・・
平成13年OB会報NO32より抜粋