大東岳で藪山スキー
33期(平成5年卒) 日野 淳一

 ここ4年ほど、OB数名で「ジャンプターンズ」なるものを結成し、冬は山スキー三昧の日々を送っている。今年2月28〜29日に樋の沢小屋泊で、南面白山と大東岳を滑ってきた。メンバーは、33期の小野寺、河野、日野と34期の大澤、関口の5人。

 仙台在住の自分は余裕の8時起床で出発。熊ヶ根駅で東京組と合流し、兼用靴をがちゃがちゃ鳴らしながら電車に乗りこむ。11時30分頃面白山高原駅着。週末だというのにあまりの客の少なさに呆然。わずかなスキーヤーもじいさんばかり。ここ10年でスキーはシニアスポーツになったらしい。リフトを乗り継ぎスキー場上へ。先日までの寒気で霧氷をまとったブナ林に入る(12:30)。なつかしさのあまり、夏道はあそこだ、トラバースはここだと言いながら進む。夏道沿いにトラバースし、西面の広い沢筋に入る。ここはなだれの起きやすい場所として知られており、2月だというのに既にデブリが見える。かなりの急登なので板を外して登る。次第に樹木がまばらになり、ひょっこり頂上に出た(14:00)。高曇りだが見通しはよく、間近に猿鼻が真白い斜面を見せている。低気圧が接近し、明日は天気が崩れるのが確実なので、今日中に大東に登ろうと言いつつ滑降開始。ピークの東面は絶妙な新雪斜面で十分に滑りを楽しめる。更に樋の沢に向かって滑りこんでいった河野が歓声を上げている。樋の沢源頭部は二口とは思えない大斜面になっていた。すこし重いが、全く期待していなかった新雪の斜面を存分に楽しむ。15:00頃、樋の沢C900付近の二股上部に至る。ここに荷物をデポし、空身で大東岳を目指す。

 大東に突き上げる尾根を辿っていくと、やがて背丈の低い潅木帯になる。ところどころ疎らなところもあり、下りはここを繋いで下るしかなさそうである。17:00過ぎに頂上着。タイミングよく晴れ上がり、頂上の雪原が夕陽で朱色に染まっていた。山形と仙台360度の展望をしばし楽しむ。

 日没が近いので滑降開始。西面の頂上直下は腰までのすさまじい盆栽ヤブだが、やがて急峻な密樹林帯に入る。アイスバーン交じりの急斜面を横滑りとジャンプターンでやり過ごし、やがて登路の尾根へトラバース。ここからは狭い樹間をぬいながら、デポ地点まで滑り込む。既に17:30、辺りは薄暗く、小屋へ急ぐ。水流は埋まっておらず、左岸をトラバースしていく。18時を過ぎるとすっかり日が暮れ、月明かりを頼りにスキーを延々と滑らせる。河野が 「小屋通りすぎたんじゃねえか?」と心配し始めたころようやく樋の沢小屋着(18:15)。

 積雪は少なく1階から入る。2階に上がるとなんと布団まである。快適小屋でようやく宴会開始。大澤の強い希望により、ビール+牡蠣入り海鮮キムチ鍋。欲張って水を入れすぎ薄味となるも勢いで平らげる。何故か20時を過ぎて、若いアメリカ人らしきスノーシュー3人組が到着、マイナーな避難小屋は以外にも満員となった。

 翌朝は6:30に出発。樋の沢の右岸を辿る。昨日のトレース沿いに登り、10:15頂上着。かなり雪は重くなっているが、最後の滑りである。100mも下ると雪質はザブザブの湿雪になり、密な樹林と合わせて手ごわいが、まもなく広い沢筋にでる。デブリをよけつつ滑り、最後は夏道沿いにトラバースしてスキー場に飛び出す(11:10)。今や倒産寸前かと思われるガラガラのゲレンデを流し、ホームに滑りこんで終了。

 帰りは秋保の日帰り温泉を楽しみ、すっかりファミレス風になった「めしのはんだや」で反省会。今回は、なつかしさだけで滑りにはたいした期待もしていなかったが、思わぬ再発見に恵まれた。大斜面の滑降は無論楽しいが、樹林の中でぽっかり白い斜面をみつける喜びも捨てがたいものである。

        新雪の大滑降
        夕暮れ迫る大東岳頂上
平成16年OB会報NO35より抜粋