アンデス・ブランカ山群トレッキング
5期 (昭和41年卒) 八木 眞介

 今年は、花がきれいな季節だという5月から6月にかけて、アンデス・ブランカ山群のトレッキングに出かけた。ブランカ山群は長大なアンデス山脈の北寄りに位置し、ペルーの最高峰であるワスラカン(6768m)を持つ山群である。トレッキングのベースとなる都市ワラスは、ペルーの首都リマから北へ車でまる1日走ったところにある。途中までは海岸線を走るが、熱帯の緯度に位置するにもかかわらず、海流の関係であまり暑さを感じない。そのかわり、ほぼ毎日霧がかかっているとのことである。

 ブランカ山群は、ヒマラヤ等に比べると、ワラス等の都市がある谷から主稜線までの距離が短く、徒歩2〜3日で峠に到達できる。また、車で峠越えできる場所も多い。ワラスに着いた翌日は、マイクロバスで約5000mの峠まで行き、そこで高度順応の時間を過ごした後、4000m付近で2時間程度のハイキングを行った。2日目は別の谷にマイクロバスで入り、4000m付近にテントを張り、付近を同じようにハイキングで過ごした。3日目からがウニオン峠(4750m)越えの本格的なトレッキングである。早朝、車で峠を越え、アマゾン側の最奥の集落から歩き始めた。行程は、トレッキング開始から2日目にウニオン峠を越え、さらに2日でワラス側の集落に着いた。このウニオン峠越えの道は、いわゆるインカ道をほぼそのまま辿る道で、上部の石段・石畳は昔のまま残っているとのことで、歩きやすい道である。

 この山群一帯は、どの谷も3700mから4000m付近に広いU字谷を形成し、そこから急な狭い谷となって、人の住む地域に下っている。この広い谷はほとんどが草原であり、非常に気持ちの良いトレッキングが出来る。主稜線及び谷の両側には6000m級及び5000m級の雪山が連なり、そのコントラストが楽しい。花は、いろいろな花を見ることが出来た。日本には類似のものがないと思われるような花が多く、新鮮な印象であった。特に、数が非常に少ないというリマリマという花を峠の直下で見られたのは、すばらしかった。

 アンデスは往復の日数が長いのが難点であるが、ヒマラヤやアルプスとは一味違った雰囲気が味わえる。今回は特に問題なくトレッキングを終えて帰国出来ると思っていたら、乗換えのヒューストン空港での指紋の検査でひっかかり、30分くらい別室に連れていかれるというアクシデントが最後に待っていた。

ワスラカン(6768m)
アルパマヨ(5947m)
リマリマ
平成21年OB会報NO40より抜粋