近況報告
5期 (昭和41年卒) 吉田 公平
 小生、昨11月に岩沼に移りました。東京に仮住まいをしたのは都合6年になります。その間もじつは家族は岩沼に居住し単身赴任の形でしたが、今後は講義ある火曜日に東京に参り、木曜日の夕方に帰郷するという形になります。とはいえ土曜日・日曜日に研究会・学会が開催されることが多いので、その際は東京滞在になります。基本的にはホテル住まい。郷里は静かだし空気と水はうまいし野菜は新鮮で安いし(東京の半値)満天の星が見えるし時間がゆっくりと流れるで、まあいいかなと思っています。

 書物が入りきれないので小屋を新築しました。徐々に整理して臨戦態勢を整えます。半年はかかるでしょう。いよいよ仕上げの時を迎えます。近年、地方自治体に請われて講演に参ることが増えました。大学の講師派遣事業で出張することもあります。傾聴すること、学ぶこと・疑うことの意味、身体は誰のものか、人権と幸福、地域文化の再発見、先学先人に学ぶことなど、求めと関心に寄せての講演です。おかげで和歌山県を残して全都府県に参上しました。江戸期幕末維新期明治大正期の儒学者の資料調査を兼ねた行脚でもあります。今後は宮城県仙台藩ゆかりの先学を調査することにも意を注ぎたいと思っています。

 段々と漢文をちゃんと読める人が少なくなっていくのは淋しいものです。それだけ人類の知的資源が開発されないままになることが残念です。また写本・自筆本のままに残されているのが圧倒的に多いので読み起こして活字化し、将来世代に贈り物にしたいのですが、お手伝いしてくださる方はいないでしょうか。時間をとられますが、先学が既にここまで深く考えていたのだということが実感できるので、とても楽しい仕事です。世界はざわついていますが、それを透視できる眼力をモノにできるかもしれません。楽しいことを行うことはとても楽しいです。

 楽しい人生に乾杯。
平成22年OB会報NO41より抜粋