近況報告
8期(昭和44年卒) 相原 敬
 50過ぎになってから病後のリハビリを兼ねて山歩きを再会した。その直接のきっかけになったのが、TUWV同期のOB山行で安達太良に行ったことだった。早いものであれから10年以上を経過し、振り返ってみれば夫婦二人だけの気ままな山行がよく続いたものである。ここ数年、山にのめり込んでいる中高年を多く見かけるが、私達も例に漏れずバタバタと今年も40日以上山に入った。いまでもピークハント、稜線歩きを主体に楽しんで充分満足しているが、今年最大の、いやこの10年間における最大の出来事は、この春に同期の拓哉からクライミングの誘いがあったことである。「還暦過ぎたらクライミング」というのが彼の口から出た殺し文句だった。

 不安がる相棒を無理やり連れ出して、榛名山の黒岩ゲレンデで岩に挑戦。これには今まで体験したことのない感動と充実感とを覚えた。道具を使う山登りへの憧れもあったし、神経を集中することの快感もあり、繰り返すうちに高所の恐怖心も次第に和らいでいくように思えた。結論は、スリルと達成感に夫婦揃って嵌まってしまったのである。このことは私達の山歩きの幅を格段に広げる効果もあり、あと10年早くやっていればという後悔さえ湧き上がる思いがした。

 拓哉に連れられて、黒岩のあと表妙義の峻険な稜線を二日がかりで歩き、オギャーも一緒に軽井沢の高岩にも登った。その後クライミング用具を一気に揃えて、夫婦二人で岩場に出向き確保の練習、懸垂下降などの自力挑戦は新鮮で楽しかった。11月になって再び黒岩に出掛け、拓哉から更なる技術の習得に励んだ。これからどんな展開を見せるのか自分でも楽しみにしているところだが、まだまだ自力でクライミングをするレベルにないので、拓哉様次第ということになりそうです。まあ今後のことはさておき、拓哉には大いに感謝しなければならない一年であった。


 
 
平成22年OB会報NO41より抜粋