赤岳日帰り山行
4期 (昭和40年卒) 大東磐司こと小原佑一

八ヶ岳山麓の「秘密基地」と称している小さな畑での農作業の真似事も二日続いた好天のおかげではかどり、昨日はちょうど良いタイミングで雨が降り、休息の一日を過ごした。今日は天気が好転しそうなので急遽、山道具を車に積み込んで出発。美濃戸に着いたのが5時半頃。1日分の駐車料金を払い、雪の状態を聞く、「林間はまだ雪が残っている。アイゼンはあるなら持って行った方が好い」とのこと。

南沢沿いにゆっくり登っていく。途中、砂防ダム工事のため道は高巻き、「ヘリコプター注意!」の警告標識が貼ってある。最近はちょっとした工事でもヘリを使うらしい。そのうち雪が出てくる。人が歩いた跡が周囲より高く、凍っている。まるで木道のように続く。踏み外すと脇はズボッと沈んで歩きづらい。

 小屋の物資運搬に使っているヘリポートを過ぎると行者小屋。ここから見上げる赤岳はまだまだ高い。行者小屋から林間の雪は昼間の気温で表面の方が融け、夜半に凍ったようで足元が不安定で歩きづらい。地蔵尾根ルートの傾斜はそれほどでもないが、アイゼンをつけることにする。ピッチが上がる。樹林帯を抜けると傾斜もきつくなってくる。稜線も近くなると雪は消えた。

 稜線上にはほとんど雪が残っていない、ただ浮石が多い。山頂小屋の人がルート上の浮石を脇の安定したところに移動していた。

 3,000mに100m足りない赤岳山頂からの展望はすばらしい! 北に三日月君のいる蓼科山が見える。南には富士山も小さく見えたが、すぐに雲の彼方に消えてしまった。山頂の岩陰でゆっくり休んでから文三郎尾根を下る。雪は少ないが階段が多い。途中振り返ると、きれいな彩雲が一筋。なんとも言えず見とれてしまった。


 行者小屋から赤岳鉱泉経由北沢のルートで帰る。後半のダラダラした自動車道路では冬用の重い山靴は堪えた。最近もっぱら履いている無雪期の軽登山靴の倍以上の重さ。車に戻って靴を脱いだ時の開放感はたまらなかった。

平成24年OB会報NO43より抜粋