パタゴニア 再チャレンジ
5期 (昭和41年卒) 八木 眞介

 今年1月に再びパタゴニアに出かけた。パタゴニアには一昨年行ったが、現地住民の交通閉鎖によってほとんど目的を果たせなかった。今回はその再チャレンジである。

 パタゴニアは南アメリカ大陸の南端のチリとアルゼンチンにまたがるエリアを言う。今回のトレッキングはパイネ山群とフィッツロイ山群という2つの山域を歩き、その間に有名なペリト・モレノ氷河の見物クルージングがあるというものである。

 ツアーは、米国経由でチリの首都サンチャゴへ、国内線に乗り換えて南アメリカ大陸最南端の町プンタアレーナスに飛び、そこが起点となる。とにかく長い長い飛行機の旅である。プンタアレーナスからは車でパイネ山群に入った。

 パイネ山群は大きな山容のパイネ・グランデ、上から黒・白・黒と大きな縞模様が作る不思議な景観と奇妙な形の山頂を持つクエルノ・デル・パイネ、4つの巨大な岩峰がそびえるトーレス・デル・パイネが西から並ぶ山群である。トレッキングはパイネ山群全体を見渡せる湖のクルージングから始まった。残念ながらパイネ・グランデは雲の中で見えなかったが、面白い景観を楽しめた。トレッキングはこれらの山のふもとをいくつかの氷河湖ぞいに山小屋泊まりで3日間で歩く。初日にはパイネ・グランデの山頂と大岩壁の素晴らしい展望を楽しんだ。3日目は本格的な登りがあり、トーレス・デル・パイネの4つの岩峰を間近に望むモレーン湖までの往復である。巨大な岩の塔とも言うべき4つの岩峰は湖から2000m以上の高度差でそびえ、さすがに迫力がある。

 パイネの後は、車で国境を越えてアルゼンチンに入り、翌日はペリト・モレノ氷河の見物である。ここは、一昨年も来た。フィッツロイはセロ・トーレとフィッツロイという2つの主峰をそれぞれ間近に見られる2つのモレーン湖を巡る3日間のテント泊のトレッキングである。トレッキングはまずセロ・トーレのベースキャンプを目指し、その近くのモレーン湖からセロ・トーレが間近に見られる。 セロ・トーレは刀の刃のよう形にするどくそびえ立つ岩峰で、すごみと美しさを感じられるものであった。

2日目にフィッツロイのベースキャンプに移動し、3日目にフイッツロイを間近に望む山上湖まで急な斜面を往復した。フイッツロイは丸みを帯びた巨大な岩峰で、堂々とした姿である。これらの岩峰群は見事な姿に加えて、岩肌が朝焼けでまさに真っ赤に染まるのも実に素晴らしかった。

 トレッキングの後は、ブエノスアイレス、米国経由の長旅で日本に戻った。

セロ・トーレ フィッツロイ
平成25年OB会報NO44より抜粋