「第一の仕事人生」からの卒業記念同期会
11期(昭和47年卒) 鈴木 元昭

 11期のメンバーは、65歳前後の年齢になりました。大学卒業後は、みんな仕事に集中し、わき目も振らずに仕事人生を走り抜けてきました。そして現在、ほとんどのメンバーが「第一の仕事人生」を終え、それぞれの道を歩んでいます。

 これまでに2回集まりました。

 40歳を過ぎて少し仕事生活に余裕ができてきたころ、丹沢に集まってキャンプをしました。1992年のことでした。たき火を囲いながら夜遅くまで語り合いました。

 2010年、還暦を迎えたときにも集まりました。伊豆の宿で、各人それぞれの人生が語られます。みんな「凄い人生」を過ごしてきたのだなあと思うとともに、友のありがたさを深く感じました。

 そして今回、2014年、仕事人生を卒業する仲間が増え始め、「集まろう」ということになりました。近田が幹事を引き受けてくれました。集合場所は仙台郊外の泉ヶ岳の麓。泉ヶ岳温泉の「やまぼうし」という宿です。3名は仕事の都合で参加できませんでしたが、8名が集まりました。秋田、柴田、竹内、近田、仁藤、真鍋、横川、元昭です。

 仙台駅から泉ヶ岳温泉に向かうバスの中から、懐かしい山々が見えました。夕陽に浮かぶシルエット。青春時代をすごした場所です。二口山塊、蔵王連峰、泉ヶ岳。当時は、いつでも「重い荷物」を担いでいました。

 夕暮れに、宿に着きました。温泉に入り、18時から宴会が始まりました。

 今回は、途中で部活をやめていったひとりの仲間(野口)が初めて参加しました。彼の人生が「今回のサプライズ」でした。工学部を卒業して新潟鉄工所に入ったのですが、彼は会社の将来を見切り、転身したのです。なんと、大学に入りなおし、医者の資格を取りました。そして、いま、秋田県能代市の病院の院長をやっています。

 その事実をその場で、初めて知りました。

 驚きましたねえ。なんという人生の転換。「すばらしい」の一言です。彼が医者になったのが1990年ですから40歳のときでした。

 宴会終了時間の20時半は、あっという間に過ぎていきました。

 場所を移して語り合います。各自の人生、古い記憶、いまの悩み、これからの人生が語られます。ハッと気がつくと午前2時を過ぎていました。8時間以上も語り合っていたことになります。古い仲間との語り合いというのは、そんなものなのでしょうね。とてもいい時間でした。

 下の写真は、35年前(30歳のころ)の我ら(左の写真)と現在の我ら(右の写真)です。6名、同一人物が写っていますが、読者諸君には分らないと思います。

 「時間は人の外観を大きく変えます」。でも、「人間の本質や性格はまったく変わらない」ということも事実です。今回、そのことを強く感じました。

平成26年OB会報NO45より抜粋