孫たちのハイパーフィールド
  8期(昭和44年卒) 相原 敬
 自分の子供を育てる頃は、諸事に明け暮れて山に登るという習慣がなかった。山に連れて行く気がないから簡単な装備すら持っていなかった。少年サッカー以外のアウトドアと言えば、春の野のワラビ狩りかスキースケートといったウィンタースポーツに限られていた。

 50歳を過ぎて山に登るようになり、当時3歳を迎えた初孫を山に連れて行きたいという衝動に駆られた。


 3歳の子もいつの間にか小6になり、その間に彼は20回の山登りをこなして貴重な経験をしたと思っている。私の倅夫婦は共稼ぎなので、小学校の春休み夏休みには群馬のお婆ちゃん家に兄弟揃って毎年お客に来る。そんな時は決まって「山に登って遊べる」という期待を抱いてやって来るのだった。家の中でパコパコやっている今時の子供にとって、山は超刺激的なハイパーフィールドであるに違いない。私たちとしては絶好の教育の場として捉え、彼らの将来の足しになることを願って頑張っている。


 孫を連れて歩くのは楽しいものだ。とにかく賑やかだし繰り出すパフォーマンスも多彩で飽きさせない。ただ、知識と経験のなさからくる無鉄砲で危険極まりない行動に、声を荒げて注意することも多い。小学生と言えどもパワー溢れる子供だから体力的には不安はないが、安全面から自ずと山選びは制約される。

 これから花も恥らう中学生になれば、今までのように付き合ってもらえなくなるかもしれない。が、来春には新たに2人小学校に上がって小学生は4人になる。一番下の孫は今年3歳だからまだまだ在庫は充分あり、その気があればあと10年くらいは楽しめるだろう。

平成26年OB会報NO45より抜粋