54年前の夏合宿写真
3期 (昭和39年卒) 後藤 龍男

 とうとう後期高齢者になりました。運転免許の更新では簡単な認知症検査を受けさせられます。100点満点で76点でした。60点以下だと免許はくれますが、警察にその旨連絡が行き、事故や違反などを起こすと 医療機関の正式な認知症検査を義務づけられるのだそうです。76点と予想外に点数が低かったのは、記憶力検査です。20個の品物の絵を見せられます。その後、簡単ではあるがかなり神経を集中する計算問題をやらされ、その後に品物の名称を書かされます。 どうしても四つ想い出せませんでした。同期の後期高齢者小俣君は二つだけで84点だったそうです。

 もう一つの検査は時計の文字盤です。8時20分の文字盤の絵を描かされました。いい加減に短針を8時、長針を4時に向けて書いたらどうやら減点になったようです。短針は8時より少し進めて書かなければいけないのだそうです。小俣君はそうしたそうで、その結果が8点の差になってしまったようです。  実はこの時計の文字盤テストは認知症診断に極めて効果的で、認知症の人はまったく書けないか、もしくは正しく書けません。こんな容易なことが出来ないのは、空間認識に問題が生ずるからだそうです。心当たりの方は一度お試しになって下さい。

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 それはさておき、この歳になると山へはなかなか行く機会がありません。あちこち出かけたヒマラヤトレッキングが夢のようです。パソコンの写真を整理していたら、56年前の夏合宿の写真を見つけました。古いネガを佐藤君がスキャンしてデジタル化して送ってくれたものですが、すっかり忘れていました。小俣君に送ったら、懐かしがって伝蔵荘日誌に一文書いてくれました。ご興味があれば覗いてみて下さい。

 URL:
 http://www5f.biglobe.ne.jp/~denzasou/m-mid-left/5-diary/151102tg.html


 一枚目の写真は昭和36年、我々3期が2年生の時の飯豊朝日の夏合宿写真です。 この写真には小生を除く3期生全員が写っています。小生だけが参加しなかったのは、親から仕送りを受けながら勉強もせず、山ばかりに明け暮れていた自堕落な生活をいささか反省し、夏休みに入るとすぐに帰省してしまったからです。 それで山から遠ざかったわけではなく、8月に入ったら無性に山へ行きたくなり、小俣君、遠山君、亡くなった2期の渡辺さんを誘って4人連れだって北アルプス全山縦走に出かけてしまったのですから、実にいい加減な反省です。 その後の人生はこのいい加減さの繰り返しでした。 写真の15人のうち、すでに5人が故人、音信不通が2名です。

飯豊朝日の夏合宿


 二枚目の写真は昭和37年、北八ヶ岳の白駒の池で撮ったものです。この夏の合宿は南アルプスでした。4パーティに別れ、三伏峠に集中して下山したのですが、食料がたんまり残っていました。飯田駅で解散した後、上級生の我々3期生だけ小淵沢で小海線に乗り換え、稲子湯から白駒の池に上がり、湖畔にテントを張って1週間滞在しました。まだ麦草峠を越える国道299号線は開通しておらず、登山者もほとんどいませんでした。天国のように静かな湖畔を根城に、北八のあちこちの山に出かけました。この時の印象があまりにも良かったので、後に山麓に伝蔵荘を建てる動機になりました。

北八ツ白駒の池


 写真に写っているのは8名です。卒業時に残っていた3期生は13人で、13人会と名付けていましたが、今も残っているのは7名。この写真の中でも故人が1名、音信不通が1名です。いずれも半世紀以上前の写真です。

平成27年OB会報NO46より抜粋