バルカン半島を訪れて
22期 (昭和58年卒)利根川 敏

 バルカン半島にあるルーマニア、ブルガリア、セルビアの旅を報告します。この地域は、キリスト教とイスラム教の接点で、西欧諸国、トルコ、旧ソ連の中間地点ということもあり、過去の大きな世界大戦のきっかけになった場所です。このため、社会不安が高まらないうちにと思い、夏季休暇を使い、旅をしてきました。主な訪問先を2つ紹介します。

 最初の写真はルーマニア王室の夏の離宮であるペレス城です。19世紀後半に作られたお城で首都ブカレスから電車で1時間ほどの郊外にあります。当時は王室の方々がブカレストから半日以上馬車に揺られこのお城を訪問し、ゆったりと夏の休暇を過ごしたのだと思います。大変優雅なお城でした。

ペレス城


 次の写真はブルガリア郊外にあるリラ修道院です。首都ソフィアから110km以上離れた山奥にあるブリガリア正教の修道院で10世紀ころ作られたものです。トルコ軍がこの地域を占拠した14世紀ころはこの修道院も様々な襲撃や破壊にあった様ですが、多数のフレスコ画が修復され現在に至っています。この修道院は1983年にユネスコの世界遺産に登録されています。

リラ修道院


 これら地域を1人で旅をしましたが、予想以上に平和で豊かな地域でした。ソ連崩壊から20年が過ぎたことで、教育や社会システムが大きく変化し、若い世代は自由に英語で会話ができ、スマートフォンを使いこなしています。一方で、電車やバスのキップを買う時には社会主義時代を長く経験した高齢の方々が対応する場合が多く、地元の若者が英語で通訳をしてくれる場面が何度もありました。街中を走るトラムやトロリーバスは旧ソ連時代の車両が多数使われており、これらに乗車するとタイムスリップした様な気持ちになります。

 バルカン半島にはギリシャの北に独自の文化や歴史のある小さな国々がまだまだ多数あるため、次の機会にぜひ訪問したいと考えています。

平成28年OB会報NO47より抜粋