TUWVの設立年月について
3期 (昭和39年卒) 後藤 龍男

 22期の利根川さんからTUWVの設立年月について問い合わせのメールを貰いました。大学のワンダーフォーゲルの歴史について調べている城島という方から尋ねられたのだそうです。言われてみると定かではありません。先年50周年記念をやった時も、それほど厳密に調べたわけではなく、かなりいい加減でした。同期の小俣君が利根川さんに送った、「「報告3」に詳しく書いてあるはずだが手元にない。後藤君が持っているはずだから確かめてみたら」と言う返信のCCが届きました。パソコンの中を探し回ったらやっと見つかりました。

 「報告3」は我々3期が2年生になったばかりの昭和36年(1961年)4月に、初めて発行した部報です。それまでも「渡り鳥」という手書きのガリ版刷りのものがあったのですが、まだ部になっていなかった頃のもので、部報という扱いではありませんでした。そういう意味で「報告3」はTUWVの初の部報なのです。我々が3期という意識でタイトルを「報告3」としました。そういうわけで「報告1」、「報告2」はありません。小生が原稿集めと編集を担当し、思い切ってガリ版刷りをやめ、活版印刷にしました。あの貧乏な時代、印刷業者に払う費用をどうやって捻出したか憶えていません。

 「報告」という無味乾燥なタイトルにしたのも小生です。それまでの山岳同人誌は、「ともしび」とか「山小屋」などと妙にペダンティックなタイトルが多かったので、それに反発してわざとビジネスライクなタイトルにしました。無風流だと仲間内からブーイングが出たのを憶えています。「報告」の字体は、字の上手そうな教養部事務室のおじさんに頼んで毛筆で書いて貰いました。今でも部報に、この無味乾燥の、あまり上手いとは言えない字体のタイトルを使って頂いているようですが、若気の至りだったと反省しています。

 小生自身は肝心の「報告3」の原本を、卒業後のどさくさに紛れて紛失してしまいましたが、なぜか5期の桜君が持っていて、今では伝蔵荘の暖炉の上の書棚に置いてあります。パソコンの中から見つけたものは、それを桜君がPDF形式にデジタル化してくれたものです。利根川さんにメール添付で送ったのですが、サイズが大きすぎて届きませんでした。

 「報告3」はTUWV初の活版印刷の部報と言うことで、活動報告の前に鈴木禄弥先生の巻頭言と、1期の加藤哲男、2期の多田恒雄両先輩の「東北大学ワンダーフォーゲル要説」を掲載しました。鈴木先生は当時東北大学法学部に着任されたばかりの新任教授で、法学部の4年生だった加藤、倉持両先輩がお願いして、部長をお引き受け頂いたのだそうです。

 前置きが長くなりましたが、TUWV発足の経緯はこの「要説」の中に詳しく書かれています。この要説は序論から始まって目的、構成、結論と10ページにわたる長大なもので、全文は原本を読まなければ分かりませんが、発足の経緯に関する記述部分を切り取って添付しますので、お読みになって下さい。発足当時の雰囲気と、昭和33年(1958年)がTUWV設立年月であることがお分かりいただけるでしょう。

 なお「報告3」のPDF原本は45MBのサイズです。ご覧になりたい方がおられましたら、お申し出下さい。メール添付でお送りします。メールサーバのサイズ制限がこれより大きければお届けできます。編集担当者が55年前の大学2年生だったことを考えると、我ながら力作です。

           TUWV部 報告3
平成28年OB会報NO47より抜粋