年に一度のスキー遊びを楽しむ
8期 (昭和44年卒) 相原 敬

「菅平へスキーに行った人は、正面に聳えた二つの山を覚えているだろう。四阿山と根子岳。あれがなかったら菅平の値打ちはなくなる。」と深田久弥氏が日本百名山に書いている。我が高崎から菅平まで上信越道を使えば二時間弱で行くことができる。そんな利便さもあって毎年のようにスキーを楽しみにしているのだが、それがまさに年に一度ぽっきりなのだ。

四阿山は本格的な山スキーの範疇であり、我が家には厳しいので一度も挑戦したことがない。殆んどの人がそうするように、根子岳で山スキーの真似事をすることになる。根子岳は山頂近くまでツアーコースが整備されているので、気楽なお遊びとしての山スキーを楽しむことができる。

12年前に初めて板と靴を担いで山頂に登ったときには、スキー客を輸送するヘリが上空をピストンしていた。後年ヘリ事故を契機に輸送はSNOWCATと呼ばれる雪上車に取って代わったが、未だにヘリもSNOWCATも利用したことはない。何故ならスキーをしに行くのではなく、山に登るのが主目的だから。

この山域の素晴らしさは正面に一直線に並ぶ北アの山並みや、頚城の山の眺望である。山頂直下まで登ればスノーモンスターにも会うことができる。通ううちにツアーコースではなくバリエーション的な尾根を登る喜びを覚え、霧氷に輝く雪原の中を出会う人もなく二人で気ままに登ることが多くなった。気まま過ぎて近年は山頂まで到達できないことが多い。

もともとスキーが上手ではない二人だから、4kmのダウンヒルを小分けにして、はちゃめちゃスキーに嬉々とする。スキーの上達や山頂ゲットという目標も意欲もなく、ただ年に一度ぽっきりのスキーが出来ればそれで満足という程度の楽しみである。

昨シーズンは雪不足に泣いたが、今シーズンは早くも雪の便りが届いて楽しみにしている。

平成28年OB会報NO47より抜粋