水上追悼
8期 (昭和44年卒) 前田 吉彦

 現役の時、水上と一緒に山に登ったことは余りなかった。だけど理系が多いWVの中で「暇な経済」の声にもめげず、いつもニコニコ顔で話の真ん中に座っていたのが印象的だった。その後30年も経て、9期の伊藤君夫妻が毎年企画してくれるOB山行では何回もご一緒した。

 そんな折百名山の1/3はWV現役の時、1/3は会社勤めの時、残りを退職後に登ったと話していた。最後の1/3はいずれも辺境の地、あるいは困難な山であっただろうと想像すると、数年の間に良く登ったものだと感心する。今回の富士登山も、翌週に本人が企画していた8期有志山行の場で絶好の土産話にする積りだったに違いない。

 驚愕の遭難の報に接して24時間もしない間に、予定していた8期有志山行を情報収集山行に切り替えた。その後小原先輩をはじめ8期9期のメンバーが、情報提供や情報精査あるいは現地捜索に加わり、捜索は本格化した。少ない情報、限られた時間、老いた捜索隊がほぼピンポイントで彼を発見できたのは、水上が途中で下山方向を誤ったことに気付いた後は、一貫して正規ルートに戻る努力を続けてくれたからである。結果は残念だけれど、水上は最後まで望みを捨てず、ワンゲルの教えを守ってくれていたのだ。 合掌。

TUWV4年 クリスマス@二口小屋
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第2次捜索隊メンバー (2017年6月24日)
水上が発見された富士南面表大沢
平成29年OB会報NO48より抜粋