水上さん(8期) を偲ぶ
8期 (昭和44年卒) 三日月 道夫

 突然「行方不明」の連絡を受けた時、何かすがる思いを抱いて車は自然に登山口に走っていました。裾野から仰ぐ富士山は残雪をいただき、日本一の山に相応しく圧巻でした。しかし五合目登山口に着いてみると、簡単に頂上に届きそうな不思議な感覚を覚えるのです。これが霊峰富士の魔力なのでしょうか。その数日後に捜索のためお中道を辿って表大沢まで行きましたが、まさかそこからわずか300m下が遭難地点だったとは思いもよらず、発見されたときには悔しさと共に愕然としました。

富士宮口五合目から富士山頂を仰ぐ 表大沢出合付近


 TUWV卒業後は同期会でお会いする程度でしたが、47号会報の記事で百名山完登を知り、お祝いを兼ねて久しぶりに誘うことにしました。昨年10月に伊藤さん(9期)と三人で南八ツ権現岳に登り、昔ながらの趣ある権現小屋で酒を酌み交わして一夜を過ごしたのが彼との最後の山行になってしまいました。

      **** 権現岳下山後に、水上さんから届いたメール ****

三日月さん、伊藤さんへ
 絶好の登山日和に恵まれ、初めての権現岳登山を堪能できました。当初の日帰り計画でなく、一泊山行に変えて正解でしたね。 前日三日月君の豪華な別荘に泊めさせてもらい、その上おいしい食事と、山行中のむすびまで用意していただき感謝、感謝です。

 又、三日月宅、権現小屋と二晩よく飲みました。伊藤君のお勧めの白州「七賢」の純米吟醸は旨かったね。足りなくて権現小屋で真澄のワンカップ頼んだし、三日月君が焼酎、伊藤君がバナジウム天然水(中身は清酒)のペットボトル持ち込んでたし。筋肉疲れもあるけど、飲み疲れのほうが酷かったです。

相原さんへ
 ここ2年ぐらい、OB山行で会っていないですが、相変わらず精力的に山に登っているようですね。まさか数日前に全く同じコース、同じ日数で権現岳に登っていたとは!

 お陰で、ブログ参考になりました。健一が貴君のコースタイムをその都度チェックしてたけど、我々も同じようなペースで歩けたのではないでしょうか。でも貴君が権現岳を降 りた日は、小屋番も言っていましたが大変な天気だったようですね。思い出したけど、小屋の夕飯のカレーライス美味しかったので、最初から大盛が一人、お代わりが二人と歳をとっても食欲は健在でした。

 私は、今年6月3日に予想外に残雪が少なかった富士山に登り、三日月君に遅れるこ と数十年、何とか百名山を踏破出来ました。これからはのんびり好きな山を登り続けるような山行をしたいと思っています。

 それと8,9期の関東在住の有志で、三日月君の別荘に集まろうという話を彼としました。健一夫妻は参加するとのことですが、相原夫妻も参加しませんか。日程は貴君の都合も勘案して日曜日から月曜日ということで、来年5月28日〜29日、6月4日〜5日あ たりは如何でしょうか?(次の週でもよいですが梅雨に入ってしまいそう)。

南八ツ 権現岳にて (2016年10月) 水上、三日月、伊藤


 卒業記念アルバムの中で、彼は「誘惑に弱い男、温和で人の好い男、いつも静かな微笑みを浮かべる男」と自己分析していました。人が良過ぎるほど善良でイヤと言う言葉を知らず、いじられても反論しながら結局許すような性格の彼は、8期のマスコット的存在でもありました。

 水上さんにとって、富士山は故郷静岡の山として特に強い思いがあったのでしょう。48年前のアルバムに残された愛用のピッケルが今回剣ヶ峰頂上で最後に撮った写真にあるものと同じであることを鑑みれば、富士山との永久の結びつきを感じます。ある意味ではうらやましい限りです。

 これから、富士山を見ると必ず彼を思い出すことになります。安らかに!

朝日岳にて (卒業記念アルバムより) 富士山頂での愛用のピッケル
(遺品カメラより)
平成29年OB会報NO48より抜粋