現役へロープワーク講習 〜 作並の鎌倉山
8期 (昭和44年卒) 佐藤 拓哉

 作並駅の手前にお椀を伏せたような小さな山が鎌倉山である。意外にもここに格好の岩壁がある。50周年記念行事で仙台に行った時にも登ったので、今回は2度目のクライミングである。

 6月17日の土曜日の朝、6名の現役(3年1名、2年3名、1年2名)と作並駅で落ち合い、鎌倉山の岩場に向かった。ここ10年以上にわたって部員数が少なく、部の存続そのものが危ぶまれているが、数少ない部員のモチベーションは高いものがある。昔はワンゲルと言えばもっぱら「藪漕ぎ」のイメージであったが、最近は沢登りに力を入れているとのことであった。ロープなどの登攀用具は揃っているものの、部員数が少ないこともあって、それらを使いこなす技術が伝承されていないという悩みがあることを知った。見よう見まねで中途半端にロープを使うのは危険なので、二日間にわたってロープワーク講習を行うことにした。

 初めての人もおり、初日は道具の説明(エイトカンよりATC、アルパインヌンチャク、環付きカラビナの数 など)から始め、ロープの結び方(エイト、マスト、半マスト、マッシャー、ミュール など)、支点の作り方と使い方、ランニングビレイの取り方、リードのビレイ、セカンドのビレイ、ロワーダウンなど基本的なことを教え、小さな壁で懸垂下降の要領を教えた。

 二日目は、セキュリティー付き懸垂下降、懸垂下降時の仮固定、登り返し、チロリアンブリッジ、トラバース時の自己確保など、必要最小限のセルフレスキュー技術を教えてから、岩壁の懸垂下降を経験させた(1ピッチ目 45m、2ピッチ目 20m)。一人で全員をコントロールすることは簡単ではなかったが、無事講習を終えることができ、現役のみなさんも技術を吸収しようと熱心に受講してくれたことが嬉しかった。

 講習で得た技術を使って沢登りを行っているとの報告とともに、来年は2回講習会を開いて欲しいというメールが届いた。嬉しい限りである。

鎌倉山懸垂下降ルート
平成29年OB会報NO48より抜粋