「歴史ある伝統は常に若し」
― 創立60周年記念式典の最若手?実行委員としてー
TUWV60周年記念事業実行委員会 講演会担当
12期 (昭和48年卒) 神山 文範

 昨年(2017)正月の恒例の新橋亭OB会で、出席者の大半を占めるシングル期の大先輩の皆様が60周年の祝賀会を東京でと発議された時、10-14期の末席から「東京でするならこのOB会と変わらない、するなら共通の思い出のある仙台か山ではないか」と申し上げたところ、その意は通じなかったようだが、実行委員の一人に指名されてしまった。

 11月29日に開催された第1回の実行委員会を控えて、僕は9月に吾妻野地温泉で開催された4546の会(45、46年入部の皆さんが2年に一回温泉に集まり、近くの山を実力に応じていくつかのコースに別れて歩く会で、途中退部や前後入部の小生たちも希望者は入れる)に参加した際に、44の松井、45の岡部、46の今の諸氏と意見交換をした。そして、櫻委員長に長いメールを送り、我々の意見として「東京近辺の初期のOBを主に対象にするなら東京でもいいが、遠くの人たちや若い人たちにも声をかけてそれなりの出席を確保するなら、全員の学生時代の思い出が詰まっている仙台でやる方がいいのではないか…」と提案しておいた。当日も仙台開催案を主張したところ、顧問として参加されていた4期の小原OB会長が賛同され、櫻委員長は昼に仙台で開催し、夜は同期とか親しい仲間に任せる案で決断された。また、祝賀会に先立ち、講演会か座談会をしたいとの意向を表明され、散会後すぐに50周年でも実行委員をされた在仙の真尾さんを実行委員に加えられた。

 年が明けて1月8日の第2回実行委員会では、真尾さんも出席され、50周年と同じ仙台サンプラザで10月13日午後1時から4時をコアに開催すること、また小生が提案した(1)これを機に現役OB間の交流を深めるという趣旨、(2)現役と27期の平塚さん、33期の星さんなどによる講演会をすること、(3)入部して活動実態がある人なら参加を認めること、他の骨子が固まった。その後、連絡担当の菊谷さん、会計の小笠原さん、在仙で式場手配や現役連絡の真尾さんと準備を進め、60周年記念式典を無事に終了できた。

 その間に思ったことは、このような会がスムーズに進められたのは、新年OB会とOB会報の双方の永年幹事であり、また現役に対し自前でロープワーク訓練をされている拓哉先輩の尽力と人脈、50周年の実行委員でありOBOGのメルアドをしっかりと管理されてきた利根川さんの努力があったからということである。心から感謝申し上げたい。

 振り返ってみて、最若手?の僕がしたことは、古参OBOGから現役1年の61期まで、また諸事情で途中退部した人も加えた、関係者全員が旧交を温めるともに新たな交流を目指す記念式典にしたいという理念を明確にしたことだったと思う。司会をする中で現役の星前主将の講演に感謝し激励を込めて岡本太郎の「伝統は創造だ!」を紹介したが、学生歌にも「歴史ある伝統は常に若(あたら)し」とあるではないか。これこそ、今後の現役諸君が創り伝えて行くものだと思う。

 式典前には仲間3人と船形山に登った。4年12月の快晴時以来、46年振り12回目の頂上は生憎風雨だったが、西行が再度平泉に向かう途次に小夜の中山で詠んだ歌を、同じ69歳だと、もじって「年たけてまた登るとは思いきや命なりけり陸奥の船形」と思った。

講演会担当 神山文範氏
平成30年OB会報NO49より抜粋