高齢者の令和元年
3期(昭和39年卒) 後藤 龍男

 年を越すと80歳です。いささか歳をとりました。東京での夜の酒宴に、電車に乗って上京するのがいささか億劫になり、新橋亭のOB会もしばらくご無沙汰しています。最近は足腰が衰え、山からも遠ざかりました。もっぱら温泉とせいぜいがハイキングです。仙台二高出身者の「昔の仲間会」と言うのがあり、そこへ潜り込んで一緒にあちこち出かけます。小生千葉一高出身で仙台二高とはまったく関係ないのですが、この歳になればそういうことは問題ではない。ただただ親しい仲間と仲良く温泉を楽しめばそれでいい。

 今年は西会津の柳津温泉、二本松の岳温泉、奥日光の湯元温泉、那須湯元の温泉に行きました。岳温泉では安達太良山、那須では茶臼岳に登りました。両方とも登りはロープウェイを使いました。安達太良頂上からの下りで、足がよろめいてうまく歩けず、麓の駐車場にたどり着いたときぱ疲労困嫌の体でした。数年前は軽々と歩いたものですが、歳はとりたくないものです。足腰と言うより、体のバランス感覚が衰えているようです。

 先日テレビで奥穂高の頂上からジャンダルムに至る稜線歩きをやっていました。ナイフリッジや垂直の岩壁がいかにも大変そうで、こんなところはとても歩けないと感じましたが、思い起こせば60年前の大学2年生の時、小俣、遠山、1年先輩の2期の渡辺さんと4人で北アルプス縦走をやったときは、切り立ったナイフリッジをまるで銀座通りを散歩するように、スタスタ歩いたのを思い出しました。つくづく歳はとりたくないものです。

denzasoudenzasoudenzasoudenzasoudenzasoudenzasoudenzasoudenzasoudenzasoudenzasoudenzasoudenzasou

 昭和47年に、3期、4期、5期の10人で北八ヶ岳山中に山小屋を作りました。ニ口峠の伝蔵荘の名を借りて「伝蔵荘」と命名しました。以来50年、伝蔵荘生活を楽しんで来ましたが、みな歳をとり、物故者もすでに3人、病気や怪我で小屋の維持管理が次第にしんどくなってきました。春の例会には5人しか集まりませんでした。いろいろ相談して、体が動くうちに小屋を取り壊して土地を佐久穂町に返すか、貰ってくれそうな人を探そうと言うことになりました。幸いなことにぜひ欲しいという人が現れ、とんとん拍子に話が進んだのですが、そうなると未練が出てきて反対論が続出、せっかくの嫁入り話がおじゃんになってしまいました。でも歳を考えればこの先小屋の維持管理は難しい。気持ちだけではどうにもなりません。


 TUWVOB会の中に、どなたかお仲間を誘って貰い受けてくれる人はいませんでしょうか。譲渡先がTUWVのお仲間であれば、未練も吹っ切れることでしょう。もちろん無償譲渡です。50年慈しんできた可愛い娘なので、幾ばくかの持参金を付けることも考えています。譲渡手続きは簡単で、町役場に書類を出すだけ。場所は中部横断自動車道の八千穂高原インターから車で10分、標高1300mの唐松林の中です。すぐ下にはゴルフ場もあります。新橋亭の酒の肴にでもして頂いて、皆さんでご相談、ご検討頂ければ幸いです。

令和元年OB会報NO50より抜粋