佐藤良子さん(オギャー)を偲んで
8期 (昭和44年卒) 前田 吉彦

 今年の3月1日、拓哉から、良子さんの訃報が入る。ここ数年、彼女は病と懸命に闘い、拓哉はそれを全力で支えてきた。結婚50周年を目前に、入院中の彼女に高価な指輪を贈ったことも、2日前に東大病院から、地元の病院に転院していたことも、拓哉からのメールで克明に伝えて貰っていた。言葉に表せないほど、残念で悔しい。

 彼女は小柄で、どちらかというと寡黙で、どことなく気品があり、誰からも好かれ、学生の頃から親しみを込めて「オギャー」と呼ばれていた。

結婚後何年かして、私の故郷横須賀に拓哉と居を構えた。東京湾に面し、近くに猿島、対岸に房総半島が望める馬堀海岸に。この海岸は私が子供の頃、海水浴で遊んだ処。その当時は何も無い寒村だったけど、今はエキゾチックな町並みに変わっている。彼女はその馬堀海岸を「日本のコートダジュール」と呼び、愛してくれていたとのこと。元住人としては嬉しい限りです。

現役の時、一緒した山は少なく、4年時の夏合宿後の尾瀬縦断が印象に残っている。卒業後8・9期合同OB山行には何度か来てくれていた。最近、自宅で永年溜めこんだ写真を整理していたら、2005年の尾瀬OB山行写真が、しかも拓哉と二人の写真が出てきた。

尾瀬小屋にて(2005/9/10)
尾瀬ヶ原(2005/9/11)


 一人の山仲間を失った悲しみは大きい。いわんや最愛の伴侶であったオギャーを亡くした拓哉の深い悲しみに接する時、今もって掛ける言葉が見つからない。

 「長い間、弱音を吐かず、頑張ってきたオギャー、安らかにお休み下さい。」
幸い子供達、孫達も近くに住んでいる、日本のコートダジュールで。

日本のコートダジュール
海を見つめるオギャ〜
令和2年OB会報NO51より抜粋