NPO法人「ディスカバーリアス」の試み 
 
〜三陸の町をつなぐ311kmのステージレースをめざして〜 
22期 (昭和58年卒) 西川 雅明

海を見ながら山を走る。山を越えれば、まばゆい大自然の展望が広がる。入江があり集落がある。10年前この地はとてつもない津波に襲われた。国は莫大な予算を投入して防潮堤や施設を整備した。でも人々は戻ってこない。果たしてこの地は復興したのだろうか。見過ごされているものがあるとしたら、いまランナー達にできる事はないだろうか ...

私が37年間勤めたNHKを退職したのは2020年3月、60歳のときでした。仕事の傍ら市民ランナーでもありました。40代後半から50代にかけては、いくつかの大きな大会で年代別入賞することがあり、特に超長距離のトレイルランニングが得意でした。

「激走モンブラン!」という、欧州モンブランを166km走る番組を企画制作したNHKプロデューサーの中尾益巳さんと知り合ったのはそんな共通分野があったからです。「激走モンブラン!」は、いまのトレイルランニングブームを作ったエポックメイキングな番組で、恐らく超長距離ランナーなら誰もが知っているのではないでしょうか。その中尾さんから丁度退職しよう考えていたとき相談を受けました。 

「三陸の町をつなぐ311kmのステージレースを作りたい。ステージレースとは、キャンプ等で宿泊を重ねながら長距離を走るレース形態だ。311kmはあの日の象徴でもある。三陸には素晴らしい自然や人や文化がある。震災から立ち直った力がある。世界の人たちにそれを知ってもらいたい。世界の人たちが三陸の良さを”ディスカバー”することで地域の人たちに元気になってもらいたい。孤立しがちな町を縦に繋ぐイベントを行うことで町と町の連帯も深めたい。実現するためにNHKを辞める。NPO法人を立ち上げるので力を貸してくれないか」

 2019年11月、NPO法人「ディスカバーリアス」は立ち上がりました。組織を運営するランナーを中心とした正会員が19人。活動に共感してくださる賛助会員が徐々に増えて現在約90人です。中尾代表は大船渡に移住し、地元ランナーや地域の人々、自治体や関係機関に協力を依頼し連絡調整を図りながら準備を進めています。私を含めた東京在住の会員は現地での活動をサポートしています。

このプロジェクトには多くの協力者が必要です。TUWVのOBの方々で思いに共感してくださる方がいたら、是非ご連絡ください。

コロナ禍で修正せざるを得なくなった当初の中期計画を作り直し、実現したい世界を目指して、いま少しずつ駒を進めているところです。

 

https://www.discover-rias.org/

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       西川雅明(TUWV22期)  nishikawa.m-hs@nifty.com

 NHK退職後、中小企業診断士の資格をとり、今年からコンサル業を開業しました。
 本業は社会貢献系団体一般のコンサル。
令和3年OB会報NO52より抜粋