コロナ2年目
8期 (昭和44年卒) 前田 吉彦

 今年もコロナウイルス蔓延で、気兼ねなく出掛けるのが難しく、仕方なく近所の散歩に精をだし、関東近郊の低山に数回ハイキングに出掛けただけ。そのため、皆さんに報告できるような輝かしいネタは無いのですが、近況を報告します。

 晩秋の11月になって、家から歩いて20分程の洪水回避用の調整池に、白鳥が飛来してきたと伝わってきたので、さっそく観察に向かいました。白鳥の飛来は、数年前から連続のようで、毎朝7時半頃この池から飛び立ち、夕方に戻ってくるという行動パターンだと聞いていたので、朝飯前に出掛けました。

数多くのカモに混じって、5羽の成鳥と1羽の幼鳥(頭やくちばしが黒い)が悠然と水面を泳いでいる姿は、都会の小さな池ではめったにお目に掛かることがなく、しばし手つかずの自然に触れたかのような趣です。あいにく雲が低く垂れ込めた朝でしたが、定刻7時半過ぎに3羽づつ飛び立っていきました。時計を持っていない彼らにしては、随分正確なタイミングだと驚かされました。



 その数日後、コロナの勢いもやや陰り人が動き始めていたので、混雑を避けて、紅葉の終わった日光戦場ヶ原に行ってきました。赤沼茶屋→小田代ヶ原→泉門池→赤沼茶屋のコースは、我々年寄り向きで、ほぼ毎年通っていますが、紅葉が終わったこの時期は初めてです。小田代ヶ原までの落葉高木の原生林を歩いていると、頭上で「コツコツ」「コツコツ」と音がします。見上げると、木々の先端まで良く見通せ、そこに動き回る鳥。相棒は双眼鏡を、私はカメラのレンズを望遠に付け替え観察タイムです。アカゲラらしく、虫を求め梢から梢と移動し、一生懸命「コツコツ」やっています。この季節、花もなく、紅葉もなく、何も無いことを覚悟してきたわけですが、無人の林でたっぷり野鳥観察でき、幸運でした。帰宅後図鑑で調べたら、オオアカゲラのようでした。

   


 来年は、年々遅くなる歩行速度にもめげず、もう少し行動範囲を広げ、山通信を寄稿したいと思っています。

令和3年OB会報NO52より抜粋