これからの人生
7期 (昭和43年卒) 真尾 征雄
 齢78歳になった。家内が亡くなってから4年余、独居老人として生活をしてきた。近くに娘家族がおり時々孫を連れて立ち寄ってくれる。緑内障と黄斑変性で視力は低下しているが、その他はまずまずで、日常生活は普通に自分でやれている。合唱団二つに所属し男声合唱・混声合唱を楽しみ、男子厨房に入ろう会で、料理仲間と囲碁・将棋・ウォーキング等を楽しんでいる。充実した老後を送っていた。

 ただ夕食を独りで食べ、寝るまで独りでいる時間は侘しかった。旅行をしたくても目が悪い上、一人で旅行する気になれなかった。話し相手が欲しい、一緒に旅に行ってくれる友が欲しいと思うことが度々あった。

 人の出会いは不思議である。ウェストサイドストーリーのリメーク版の映画が見たく同行してくれる人を探した。今まで親しく話したことはなかったが、男厨会でダンスの指導者をしていた人なら、この映画興味あるだろうと勝手に推測し電話をした。

 2022年2月初めて二人で映画を観て食事をした。運命の歯車がかみ合い、その後食事や小旅行を楽しむようになった。この歳になってのめぐり逢いに心が弾んだ。


 10月健康そうな彼女にステージ4の胃癌が見つかった。晴天の霹靂である。彼女は20年前にご主人を亡くし、仙台市内に一人で住んでいた.

 癌との闘病生活がはじまる彼女と、視力が衰えた私がお互い支えあって生活することで合意し、子供たちの了解も取り、パートナーとしての新生活がはじまった。


 胃全摘手術後の食事は大変である。一回の食事の量は非常に少なく、食べられるものも制約を受ける。1日7回の食事で体重の減少をくい止めた。男厨会で料理の基礎を身に着けたことが大いに役立っている。同じ食事をとっていたら(量は違うが)嬉しいことに私は3kg 減量していた。

彼女82歳、私78歳、これからの人生、そう長くはないだろうけれど、お互い助け合って楽しく生きたいものである。

令和4年OB会報NO53より抜粋