自然を自然のままに
8期(昭和44年卒) 佐藤 拓哉

 以前にこのOB会報でも紹介した知床100平方メートル運動も、今年は林野庁の伐採の強行などもあり、多くの人々の関心を集めました。その結果、実質的な伐採中止という林野庁の大幅な計画変更となったことは、官僚社会の日本では驚くべきことと言ってもいいようなことでした。自然保護運動というと、いつも最後は悔し涙を流すことの連続という感が強かったが、その意味では久々の快挙でした。人それぞれに色々な思惑があったこととは思うが、自然を大切にしようとする人が多かったと素直に受け止めたい。

 これとは別に、8月の毎日新聞に北アルプス双六谷のダム建設計画の記事が載っていました。これまでの日本は余りにも生産性向上に重きをおいて来たため、同時に多くのものを失ってきたように思います。自然もその一つです。−度破壊したら二度と元に戻ることのない自然を守ることは、青春の一時期を自然の中で過ごした者の責任でしょう。

昭和62年OB会報NO19より抜粋