氷と岩を楽しむ |
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昨年に続きこの一年も拓哉にはお世話になったが、今年はアイスクライミングという新たなジャンルに挑戦することになった。遅きに失した65の手習いである。 |
妙義山で拓哉&オギャ〜と紅葉狩り |
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☆ 氷の部 |
1月 霧積温泉で初トライ |
アイスクライミングはバイルとアイゼンを交互に打ち込みながら氷壁を登るので、岩登りよりもルートを選ぶ自由度は高いが基本は変わらない。見ている限りでは簡単なようでも、やってみると身体のこなし(ムーブ)が重要であるということがわかる。頭では理解できても身体がままならず、わが身のふがいなさを思い知る場面が多くあった。技術と勘を習得するにはトレーニングを積む以外にないのだろう。習うより慣れろとは良く言ったものである。基礎体力の向上も課題である。 最近はアイスクライミング人口も増えたので何処に行っても過密気味で、落石ならぬ落氷にも気を配らなければならない。寒さも厳しい。 |
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南野牧氷瀑 (拓哉) 新治不動滝 (相原) |
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☆ 岩の部 |
4月 裏妙義木戸壁右カンテ 榛名黒岩 御在所岳藤内壁前尾根 5月 小川山涸沢岩峰群U峰 6月 谷川岳一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜 10月 谷川岳幽ノ沢V字岩壁右ルート (以下報告) 未明4時にRW駐車場を出て幽ノ沢出合まで旧道を歩き、夜明けを待って入渓すると前日までの雨で濡れた沢登りを強いられた。しかし白い花崗岩のカールボーデンに出れば明るく開放感に溢れ、天候も味方して青空に映える岩壁が屏風のように聳えていた。カールボーデンの上部からアンザイレン。 |
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大滝上部で拓哉と |
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幽ノ沢を遡ってカールボーデンに出る |
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カールボーデン上部 右股リンネを見上げる |
心配していたトラバースも快調に抜けて、いよいよ岩壁登攀が始まる。過去に登った一ノ倉沢のような高度感、露出感は控えめであるが、一ノ倉沢ほどメジャーなルートではないのでランナウトする箇所が多く、リードの拓哉は慎重に登っていた。6時間をかけた12ピッチの登攀を終了すれば普通ならば「お疲れ様」となるところであるが、中芝新道に抜ける石楠花尾根の急峻な笹薮漕ぎが隠れた核心で最大のピンチであった。小一時間の緊張から開放された堅炭尾根からの展望は感慨深いものがあった。武能岳が大きい。 |
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トラバースピッチ リードする拓哉 |
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谷川岳幽ノ沢岩壁 |
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終了点も近い 堅炭岩 |
堅炭尾根から芝倉沢に下る中芝新道は破線の一般ルートであるが、急斜面ゆえに下りで使う登山者はあまりいない。傾きかけた夕陽にせかされてバンバン下るも、芝倉沢の途中で完全に日が暮れてしまった。 ヘッデン頼りに沢を下り、旧道をポコポコ駐車場まで戻った。沢登りに始まり岩壁登攀、バリエーションあり、急峻な尾根下りに暗闇のルーハンもありで16時間半の長丁場だった。まさに「一生に一度の幽ノ沢」となり、今になっても達成感に浸ることのできる忘れられない山になった。 |
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